菅家ゆかりさん
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- 2019年10月14日
- 読了時間: 7分
更新日:2020年12月18日

菅家ゆかり
上智大学新聞学科卒業後、日本テレビ放送網(株)にアナウンサーとして入社。
久米宏氏とのトーク番組“おしゃれ”他広報番組、ニュース、スポーツ、芸能情報番組の司会やレポーターとして幅広いジャンルを担当。退社後はフリーランスアナウンサーとして活動。
日テレ学院や大学で講師を務め他、シンポジュームやセミナーの司会、様々な
分野のナレーションも担当。
『美顔率』『声とことばの磯貝メソッド®』など声や表情に関する資格を習得。
「声トレーニング」「コミュニケーション を深める表情エクササイズ」「コミュケーショントレーニング」等の講座を開講し企業研修やパーソナルトレーニング他、多方面でトレーナーとして活動中。
著書
『一週間で決め顔・勝負顔を手に入れる』(2010年 講談社)
いつでも「奇跡の1枚」!ベストショットで写れる! 身につければ、メイクより一生もの!表情の決め手は口にあった!
元日本テレビアナウンサー究極の理論
フリーアナウンサーとして活動される傍ら、日テレ学院にて後進の育成に務める菅家さん。
学生時代を懐かしみながら、貴重なお話をお伺いしました。
ーーアナウンサーになりたいと思うようになったきっかけを教えてください。
私は上智大学の新聞学科に在籍していたのですが、私が学生だった当時は、マスメディアで女性を採用する企業も少なかったんです。そんな中で毎年採用があったのが放送局のアナウンス職だったんです。当時アルバイト的な感じでイベントの司会などもやらせていただき、面白いなと思っていたので、スクールに通いはじめ、アナウンサーを目指すようになりました。
ーーアナウンススクールはいつぐらいから通われていたのですか?
私は4年生になった春くらいから通いはじめました。というのも、私たちの頃は就活の解禁が今と違い、4年生の11月からだったんです。当時私は放送研究会などのサークルにも所属しておらず、情報もありませんでしたし、身内にメディア関係の知り合いもいなかったので、少しでも内情がわかるように、週2回スクールに通っていました。当時は今ほどアナウンススクールも多くなく、私は、NHK出身のアナウンサーの方が始めたスクールが渋谷にできたので、そこに通っていました。
ーー菅家さんが学生だった当時も今の様にアナウンススクールに通う方というのは多かったんですか?
スクールの数が今ほど多くなかったということもあったので、どちらかというと、各大学の放送研究会やアナウンス研究会からアナウンサーになるというのが主流でしたね。
アナウンサーになるために有名な大学のアナウンス系サークルに入るという人も多かったです。
ーー今と比べると環境も全く違いますね。卒業してすぐに日テレに就職されていますが、期間もとても短期間で能力を身につけられたということでね。
そうですね。幸い通っていたアナウンススクールがNHK出身のアナウンサーの方がやっているところだったので、NHKの番組のオーデションの話がいくつもきていたんです。受けてみたら運よく合格することができて、在学中に朝の情報番組のレポーターをやらせていただきました。収録や生など様々な現場を体験することができて、とても良い経験でした。そして数か月そのお仕事をやらせていただいているうちに日テレから内定をいただいたので、2局に顔が出るのも違和感があるなと思ったので、NHKのレポータ―の仕事は辞退し、卒業後は日テレのアナウンサーとして活動を続けていきました。
ーー学生時代、スクール以外でアナウンサーになるためにご自身でやられていたことなどありますか?
とにかくいろいろな現場に行って経験してみるということは意識してやっていました。
例えばファッションショーの現場や、先輩の現場について行って見学するなど、とにかく自分で見聞きするということは大切にしていました。
あとは、私はサークルなどにも所属していなかったので、あまり声を出すといいう経験をしていなかったので、何でも声に出して読む練習をよくしていました。新聞のコラムなどは、もちろん声に出す練習にもなりますが、時事ネタなどの採集にもとても役に立ちました。面接の際にも世の中の動きなどに関する質問や意見を求められることもあったので、やっていてよかったなと思います。

ーーやはり声に出すというのは大切なことなんですね。
そうですね。アナウンサーにとって用語を知っておくというのはとても大切なことです。
同じ文章を読んでいても、その言葉の意味を知ったうえで読むのと知らずにただ読むのとでは、声も変わってきますし、説得力も全く変わってきます。口に出して、さらに耳で聞くことで、語彙に対する理解度は向上するので、声に出して読むというのはとても大切なことです。ニュースなどでも急に原稿を渡されることもあるのですが、その言葉を知らないとうまくしゃべれなかったり自信のない声になってしまいます。
ボキャブラリーを身につける努力はとても大切なことです。
ーー確かに伝える側がよくわかっていないのに伝えられても説得力はありませんね。
知識があるというというのはアナウンサーにとって大切なスキルです。
スポーツに関してもルールや選手情報をしっかり頭に入れておくだけでそのスポーツに興味ももてますし、説得力も全然違います。実際に取材に行ったりしても、そのスポーツや選手に関する知識があればそれだけで仕事で役に立ちますし、日ごろから興味をもって下調べしたりデータを増やしておくと、仕事のチャンスにもつながります。
ーーアナウンススクールを選ぶときにどんなことを気にするのが良いですか?
それぞれが持っている雰囲気などもあるので、自分に合ったところを選ぶのが良いと思いますが、基本的なカリキュラムは各スクール、どこもだいたい同じだと思います。その中でどういったところに重点をおいているかというのはスクールごとに違ったりするので、そこを基準に考えるのが良いかなと思います。私が講師をしている日テレ学院に関しては、基礎の発声発音や原稿読みを身に付け、自分の考えをまとめ発表することを重視しているので、総合力がつくかなと思います。あとは自分にとって必要だと思うことをしっかり教えてくれるかというのが一つの選ぶ基準にはなるかなと思います。
ーー自分の行きたい局が運営するスクールに行くといいという話を耳にするのですが、その辺はやはりあるのですか?
基礎は一緒なので、どこでも力をつけることができるとは思いますが、どうしても行きたい放送局があるのであれば、その局の運営するスクールに行って存在を
アピールすることができればチャンスへのきっかけになると思います。その局で実際に活躍しているアナウンサーの方が講師として来ることもあるので、その局の仕事の話を直に聞けますし、熱意が伝わればもちろん心象はいいと思います。
ーー菅家さんは姿勢がとてもいいですが、姿勢なども大切なんでしょうか?
身体は楽器ですから、姿勢はとても大切です。まず、声を出しやすい姿勢や体づくりはした方が良いです。姿勢がよいと呼吸もしやすいですし、声も出しやすいです。座った姿勢や立った時の姿勢が良いとアナウンサーにとっての見た目の信頼度も変わってくると思います。スクールでも姿勢もしっかり指導しています。姿勢が整うと声も変わってきますから。
ーー学生時代これをやっておけばよかったなと思うことはありますか?
私は学生時代に海外に行くという経験ができなかったので、それはとても後悔しています。ツアーでなく、自分で興味のある所に自分の足で赴くという経験はとてもいい経験になると思います。
もう一つは日本のことについてもっと知る機会があればよかったなと思います。退職後、海外で生活したのですが、現地の方に日本の文化や生活、歴史のことなどいろいろ聞かれました。最近では海外からの旅行者も増えているので、日本の伝統文化について若いころからもっと学んでおけばよかったと思います。
そういった見聞を広げることで、自分が伝えることの説得力が増します。
ーー最後にアナウンサーを目指す学生に向けて一言お願いします。
これだけは負けない、という自分の得意分野、強みを持っておいた方が良いです。それは映画でも舞台でもいいですが、興味を持って様々なことに触れて自分の物にするというのは自信にもつながります。
アナウンサーとしても、一人の人間としても一つ自分の“型”、土台となるものをもってほしいと思います。“型”を持ったうえで、色々な事を経験して身に付けていくことがとても大切なことだと思います。
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