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金谷有希子さん

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  • 2022年4月7日
  • 読了時間: 7分


金谷 有希子 Kanatani Yukiko

兵庫県神戸市出身。

関西外国語大学国際言語学部、立命館大学法学部、早稲田大学大学院政治経済学術院公共経営研修科の3つの大学に2年ずつ在籍。

大学卒業後はNHK京都放送局で夕方のニュースキャスターを務め、その後とちぎテレビ・福井テレビのアナウンサーとしても活動。現在は関東でフリーアナウンサーとして活躍している。

全国のアナウンサー達による社会貢献団体「Jアナース」発起人。




著書

『アナウンサー就活本』(2019年 カナリアコミュニケーションズ)

過去20年分の資料をまとめ、体系立てて書かれているアナウンサー本!

公共放送・民放系列局・独立U局・BSCSなど、それぞれ内定をもらうためのノウハウが!

元NHKキャスターがアナウンサーを目指す人に送る一冊!




———この仕事に興味を持ったきっかけはなんですか?


大学院生でTBSのNEWS23にインターンシップに行ったときに、膳場貴子アナウンサーをはじめ、NEWS23のキャスターの方々がいろいろな場所に連れて行ってくださいました。インタビューに同行させていただいたり、リポーターとして首相や各大臣の方達にインタビューを取りに行かせていただいているうちに、「テレビの影響力はすごいな」「この場で働きたいな」と思う気持ちが強くなっていきました。最初は記者志望だったのですが、膳場さんに「アナウンサーを目指しなよ」と言っていただいたとき、アナウンサーを目指していいんだなと思ったのがきっかけです。



———学生時代やっていた事で今の仕事に結びついているものはなんですか?


議員のインターンシップに1年間参加したり、英語ディベートをやったりしていました。世の中って色々な問題に溢れていて面白いんだなと思うと同時に、自分は何も知らないんだなと感じました。だからこそもっと勉強したいと思い、大学1年生のときからECCの専門予備校に通い始めました。さらに、法律や政治を学べば世の中をもっと広い視野で見られるのではと思い、3年生のときに立命館大学の法学部に編入しました。しかし入って半年で就職活動が始まり、自分はまだ何も学べていないし、変われていなかったので、マスコミに興味を持ち始めていたことから早稲田大学の政治経済学術院に入りました。

私は、パーラメンタリーディベート(お題について1時間のうちに考えて話し合う即興性重視のディベート)という英語ディベートをやっていたのですが、それを通して毎日社会情勢に触れていたのは良かったと思います。その上、肯定派と否定派に分かれて話し合うので、いろいろな人のいろいろな考え方が入っているグレーな話題を多面的に見ることができたのはすごく面白い経験でした。「自分がどういう考え方を持って、人にどう伝えていくか」を学べたので、良かったです。学生の皆さんがニュースなどを見るのをしんどいと思うのはストーリーを分かっていないからだと思います。なので自分の興味がある分野からでいいので少しずつ見ていって、知識を深めていくのが良いのではないかと思います。



———アナウンサーという仕事のいいところ、好きな所を教えてください。


アナウンサーにもよると思いますが、いろいろな方に会えるところと、毎日同じ日が無いことですかね。私自身長い間ニュースキャスターをやっていたのですが、結構同じ仕事になりがちなところもあるので、私の性格的にはロケとかが楽しかったです。

インターンシップでの一番の出来事は、TBSのインターンシップで、総理やお偉いさん達に話を聞けたときで、あの時の経験は今でも人生を変えられたなと思っています。

これは私が経験した話なんですけど、中曽根総理が「最近の政治家はいかん!」と怒っておられたときがあったんです。「誰のことですか?」とお聞きすると「ゴルバチョフが」とお答えになられて、そのときに「あっ、日本の政治家じゃないんだ」と思いました。すごく広い視点で物事を見ておられるんだなということを肌で感じられたのがすごく勉強になりましたし、今後の自分の人生を考えるにあたって、若いときに日本を引っ張っていく方達の話をお聞きできたのはすごく良い経験になりました。なのでインターンとかはお金がもらえなくてもたくさん参加した方がいいと思います。



———金谷さんが考える理想のアナウンサー像がありましたら教えてください。


難しいですね。アナウンサー像というのは日々移り変わっていて、報道、バラエティー、情報番組、その中で求められている役割は全部違います。ニュースを読むときは正確さ、冷静さ、臨機応変さ、あとは局の顔として日々のプライベートでの行動でも責任を持ったりなど、責任感の重さを感じていました。そう考えると、それぞれのフィールドに対応できることがアナウンサーにとっての理想だと思います。ただ、「自分はこういうことを伝えていきたい」という信念は持っていて欲しいと思います。



———この仕事をしていくうえで一番大切なことを一つ上げるとしたらなんですか?


メディアリテラシーを養うことです。自分の耳で聞き、「その人が言った」という事実は実際の情報になるので、なるべく私は生の話を聞きに行きます。

放送の制限があっても、大筋は自分が思ったことをしっかりと伝えなければ自分の言葉に責任が持てなくなってしまうと思います。



———尊敬するアナウンサーはいますか?


私の場合はいませんでしたが、目標があった方が方向性は定まると思います。「いない」と答えてもいいですけど、「じゃあどういう人がいいの?」という質問にしっかりと答えられないといけません。結局面接官が見ているのは「この人ってどういう人なんだろう」というところだと思うので、それが良い意味でしっかり伝わればいいのではないかなと思います。自分と近い人を答えれば面接官も将来をイメージしやすいかもしれません。



———アナウンサーを目指す人へのここだけの話がありましたら教えてください。


面接官は最終選考まで残った人は面接以外のこともしっかりと見ています。一度私が最終選考まで残ったときに、話していないことやエントリーシートに書いていないことまで知っていることがありました。この時に、私が提供した情報以外にも色々と調べていらっしゃるのだなと思いました。最近はSNSなど調べられる機会が多いので、怒られるようなことをしないことが大切なのではないでしょうか。



———注目してもらえるエントリーシートの書き方がありましたら教えてください。


ぎっしり書かなくて大丈夫です。目立たせたいところを強調して書けば良いと思います。Web上のエントリーシートの場合は、「」で強調したり、情景描写ができる文章だとより良いです。

一番は写真を見ているので、たくさん撮った中から一番自然な表情を選びましょう。写真を何枚も貼らないといけないエントリーシートは、「なぜ何枚も貼らないといけないのか」を考える必要があります。それは、「色々な表情が見たいから」なので同じ表情にならないように注意してください。



———金谷さんの今後の目標はなんですか?


アナウンサーの社会貢献団体『Jアナーズ』のメンバーと一緒に、世の中に動きを起こしていきたいなと思っています。働きたい人が働けないのはもったいないので、うまく人材が有効に活用できるような社会を示していきたいです。



———最後に学生に向けたメッセージをお願いします。


学生時代に特に何もやってこなかった人でも「自分はできない」って思わないでほしいです。私はすごいことをやったわけではなくて、一つずつやっていった結果、道が拓けていきました。そこまでやるのは大変だったりします。ですが、“しっかり続けていくこと”って好きだからできるんですよね。アナウンサーになれる人のほとんどが、ものすごく努力をしている人だと思います。なのでその努力を怠らずに、気付いたときから自分が正しいと思ったことを一つずつ積み重ねていくことで、自ずと道が拓けていくんだと思います。後ろを振り返っても仕方がないので、前だけを見て頑張ってほしいです。

 
 
 

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